ランドセルの素材選びはラン活成功のカギ!

ランドセルはついデザインや値段に目が行きがちですが、実は素材選びが重要!
毎日使うものだけにどんな素材でできているかで使い心地が大きく変わってきます。
この記事では、それぞれの素材のメリットとデメリットを解説。
どの素材も昔とは違って進化していますよ!
お子さんの性格に合ったランドセルはどれがいい?と悩んでいるパパママやおじいちゃんおばあちゃん。6年間しっかりお付き合いするために、妥協しない素材選びでラン活を成功させましょう!
ランドセルの素材は大きく分けて3種類

ランドセルの素材は主にクラリーノ、牛革、コードバンの3種類があります。
ランドセル工業会が行った調査によれば、2018年就学の児童に向けたランドセルでは、全体の42%がクラリーノ素材でした。
次いで牛革が22.6%、馬革(コードバン)3.5%となっており、クラリーノ人気の高さがうかがえます。
まずはこの3つの素材の特徴を見ていきましょう。
人工皮革(クラリーノなど)
クラリーノというと、昔は安くて本物の革には劣るようなイメージがあったかもしれません。
しかし現在では、クラリーノの品質は大きく向上し、全ランドセルのなんと90%が人工皮革で作られているといわれます。
この人工皮革は合成皮革としばしば混同されますが、簡単に区別すると次のようになります。
・人工皮革 マイクロファイバーの布地と合成樹脂で作られたもの ・合成皮革 天然の布地と合成樹脂で作られたもの |
強度が高いのは人工皮革です。合成皮革は6年間使うには強度に少々不安が残るので、ランドセルの素材としてはあまりおすすめできません。
<人工皮革の素材例>
・クラリーノ
株式会社クラレが開発したものです。雨に強く、軽くて型崩れがしにくいという特徴があり、ランドセルにぴったりです。
人工皮革のうち70%ほどはクラリーノといわれます。
・タフガード
雨や汚れに強くお手入れの必要もないことから、男の子のランドセルにとくに人気です。
・アンジュエール
セイバンのために開発された素材です。丈夫で傷つきにくい素材です。
人工皮革のメリットデメリット
<メリット>
- 汚れや水に強い
- 軽いので持ち運びしやすい
- キズがついても破れにくい
- 型崩れしにくい
- お手入れが簡単
- カラーバリエーションが豊富
- 通気性がよい
<デメリット>
- 天然皮革と比べるとやや人工感がある
- 天然皮革より強度が劣る
- 質感が天然皮革に劣る
牛革
クラリーノに次いで人気の牛革ですが、昔はランドセルといったら牛革が主流でした。
おじいちゃんおばあちゃんやパパママ世代では、牛革を使っていた人が多いのではないでしょうか。
本革ならではの風合いがあり、「ランドセルは牛革でなくては」というこだわりがある人もいるようです。
工房系のランドセルなら手縫いで作られていたり、大手のメーカーなら牛革であることを活かしたラインナップがあったりと、現代でも根強い人気があります。
生後2年以上のステア、生後1年以内のキップなどの素材がありますが、ランドセルには耐久性に優れたステアが一般的です。
かつては牛革にはヒビができてしまうことも多かったのですが、最近ではそのようなことは起こりにくいように工夫されています。
牛革素材は若干重めな傾向なので、軽く感じる構造のものを選ぶことがひとつのポイントになります。
牛革のメリットデメリット
<メリット>
- 耐久性がある
- 独特のツヤと風合いがある
- 使い込むほど深い味わいが出る
- キズに強い
<デメリット>
- クラリーノより重い
- 水に弱い
- お手入れが必要
- 値段が高価になりやすい
- 硬くてなじむのに時間がかかる
コードバン
ランドセルの素材として最高級に位置しているコードバンは、馬のお尻の革のことです。
馬1頭からはランドセルのフタ部分が2個程度しか作れないという、大変稀少なもの。風格があり、使うほどに味が出てきます。
牛革と比べるとさらに耐久性があり、とにかく丈夫なことで知られます。
また、本革なので独特の高級感があり、幼くても良いものを持たせたい、という大人から高く支持されています。
昔は重く耐水性がないといわれていましたが、最近は軽量化が進んでおり、水にも強くなってきています。
ランドセルの場合、すべてをコードバンで作るのではなく、ベルトなどを人工皮革にして組み合わせていることも多いようです。
たいへん丈夫な素材なので、6年間使ったあともリメイクで財布やバッグなどにして、一生使い続けるのもいいですよ。
コードバンのメリットデメリット
<メリット>
- 最高級素材で良いものに触れることができる
- 牛革よりも耐久性がある
- 見た目や触ったときの感触、ツヤも最上級
- 使い込むほどに味が出て来る
- 時間とともに体になじんでくる
- 一生使えるほど丈夫
<デメリット>
- 最高級だけに値段が高価
- 人工皮革と比べるとやや耐水性が劣る
- お手入れが必要
- やや重いので負担になることがある
- 珍しい素材だけに売り切れが早い
あなたにおすすめの素材はコレ!

主な素材を3種類解説しましたが、選ぶ基準は人それぞれです。通学の距離やお子さんの性格などに合わせて選んであげましょう。
🌸軽さ重視なら人工皮革
人工皮革は他の素材と比べると軽いのが特長です。
ランドセルの中にはたくさんの教科書やノートを入れます。毎日通学することを考えると、軽くて負担が少ないことも大事ですね。
🌸丈夫さ重視なら牛革
元気いっぱいの子供が毎日使うものなので、丈夫さにも目を向けたいものです。
牛革は丈夫なことで知られ、ランドセル素材として昔から親しまれています。
🌸見た目、質感にこだわりたいならコードバン
最高級素材の風合いはやはり別格です。幼いうちから良いものに触れさせたいなら、コードバンがおすすめ!一生ものです。
🌸価格で選ぶなら人工皮革
比較的安価なのは人工皮革です。安くてもしっかり6年間使えるので、値段がネック、という時は人工皮革に絞って選んでもいいでしょう。
昔とは違う!?最新のランドセル素材事情

ランドセルの素材は昔と今ではずいぶん違います。
おじいちゃんおばあちゃんパパママ世代の時と比べて素材の性能が各段に上がっているので、当時の記憶に頼らず最新情報で選びましょう。
人工皮革でも耐久性は十分!
かつては人工皮革というと、どうしても耐久性が心配されましたが、最近の人工皮革はかなり丈夫になってきています。
たしかに天然皮革の方が耐久性は高いのですが、人工皮革でも6年間はじゅうぶんに持ちこたえられます。
「予算を抑えたい」「なるべく軽いランドセルを買ってあげたい」という方は、人工皮革を視野に入れてみましょう。
人工皮革というとクラリーノが有名ですが、他にもさまざまな丈夫な素材が開発されています。
<耐久性に優れた人工皮革の例>
・ベルバイオ
牛革に負けない耐久性を持ち、美しい光沢感が特徴。多少ひっかいてもキズつかない強さがあります。
・エアヌール
東レが開発した素材です。軽くてしなやかな美しい素材ですが、耐久性に優れています。
・タフガード
雨や汚れに強く、キズつきにくい素材です。元気な男の子が乱暴に扱っても耐えられるといわれます。
牛革もコードバンも重くない!お手入れ簡単なものも
牛革などの天然皮革は上質な反面、重くてお手入れが大変、というイメージはないでしょうか。
今どきの牛革やコードバンはかなり改良されていて、昔と比べるとずいぶん軽くなっています。
たとえばクラリーノ素材のランドセルはおおよそ1,000g~1,200g前後のものが多いのですが、天然皮革のランドセルでもそれほど大きな差はありません。
<牛革ランドセルの重さの一例>
フィットちゃん |
1,450g |
池田屋ランドセル |
1,300g |
土屋鞄 | 1,390g |
セイバン | 1,460g |
また、昔の牛革などは水に弱く、定期的なお手入れが必要でしたが、最近の天然皮革のものは耐水加工やコーティングがしてあり、お手入れ不要のものも増えています。
「牛革は重いしお手入れが大変だから…」という心配はあまりなさそうです。
ランドセル素材なんでもQ&A

「10年ひと昔」といいますが、時代と共にランドセルの素材も大きく変わっています。疑問を解消して、のちのちまで満足できるランドセル選びをしましょう。
クラリーノの種類はなにがある?
クラリーノには多くの種類あります。そもそもクラリーノとは、不織布にポリウレタン樹脂などを加工して作られたもの。
それぞれに特徴があるので、主だったものを見ていきましょう。
・クラリーノエフ
人工皮革というとツルツルしたイメージがありませんか?
クラリーノエフは牛革に近い仕上がりを目指した素材で、見た目も牛革のようなシワやしなやかさがあります。
・レインガード
はっ水性を重視した素材です。雨が多い地域のお子さんはクラリーノレインガードだと安心かもしれませんね。
・レミニカ
牛革のような光沢感がありますが、実はとても頑丈!キズが付きにくいので元気いっぱいに駆け回る子どものパワーにも負けません。
・タフロック
こちらもとても丈夫なタイプ。とにかく頑丈なのを、という方はクラリーノタフロック素材のものを探すといいかもしれません。
・リピュート
丈夫さという点ではやや他より劣りますが、メタリック加工をしており、独特の色合いが魅力です。おしゃれな女の子にもいいですね。
ヌメ革ってなに?
ヌメ革とは、牛革からできた素材のことです。型押しなどの加工をせずに仕上げているものが多く、革本来の高級感や手触りがそのまま活きています。
また、加工をしていないのでシワや血管、シワなどの跡がそのまま残っており、同じヌメ革のランドセルでもそれぞれが個性を持つことになり、表情豊かになります。
さらに、見た目が美しいだけでなく、非常に丈夫なのもランドセルに人気の理由のひとつでしょう。
手触りは最初はやや硬く感じますが、使い込むほどにやわらかくなじんでいくので、革本来の味わいを楽しめます。
1年生のときにはまだ新しい色合いのヌメ革も、年数を重ねるうちに独特の風合いが出てきますよ。
ただ、水や乾燥には弱いので、定期的なお手入れが必要です。
水に濡れるとそこだけ膨らんだりシミになったりしやすいので、定期的に防水スプレーで雨から守る対策が必要になります。
逆に乾燥しすぎるとガサガサになるので、皮革用のオイルで保湿することも必須となります。
お手入れの仕方を教えて!
素材ごとにそれぞれ特徴があるので、素材に合ったお手入れをしましょう。
・毎日のお手入れ
ランドセルはそもそも丈夫に作られているので、神経質になって毎日お手入れしなければならないわけではありません。
基本的にはどの素材でも濡れたり汚れたりしたときは布で拭く程度でいいでしょう。
ただ、雨が降った日は刺繍やステッチにカビが生えてしまう可能性があるので、きちんと乾かす必要があります。
また、週に1回程度は汚れがないか確認し、きちんとホコリを落としてあげるといいでしょう。
・濡れたとき
人工皮革は耐水性が高いので雨に濡れてもそれほど気にすることはありません。軽く拭く程度で十分でしょう。
しかし牛革やコードバンは違います。水濡れに弱いので、きちんと水分を拭き取り、しっかりと乾かす必要があります。
・汚れたとき
ランドセルは外側の汚れも気になるものですが、意外と内側に消しゴムのカスやホコリなどが溜まっているものです。
夏休みや冬休みなど連休のときには、しっかりと汚れを取り除いてあげましょう。
内部に溜まった汚れは掃除機のノズルや歯ブラシなどを使うときれいに取れます。
仕上げに中性洗剤を薄めた水に浸した雑巾を硬く絞って水拭きし、陰干しするようにしてください。
・傷がついたとき
人工皮革は牛革やコードバンと比べるとややキズには弱い素材です。
油性ペンや接着剤で補修は可能ですが、キズがつかないようにランドセルカバーを使うとキズ予防になります。
牛革はキズに強いので指先で撫でると目立たなくなります。どうしても目立つ場合は、ランドセル用のクリームを塗るといいでしょう。
コードバンは牛革同様キズには強いのですが、時折専用のオイルやクリームを塗ると美しさを保ちやすくなります。
それぞれの素材は6年後どうなる?
使い方によって状態は違ってきますが、6年後をイメージしてみましょう。
・人工皮革
表面のキズはそれなりに目立つものの、型崩れはほとんどありません。人工皮革は水に強いのですが、角度によっては雨の跡が目立ちます。
・牛革
蓋の部分のキズや凹みはけっこう目立ちます。それでも形はしっかりしており、横部分は比較的綺麗です。背あては黒い汚れが目立ちます。
・コートバン
キズに強いので、6年使っても目立つキズはほとんどありません。型崩れもなく、色もキレイなままです。
ただ、専用のクリームを使った定期的なメンテナンスは必要です。
お子さんにぴったりのランドセル素材を選ぼう!

それぞれにメリットデメリットがあるランドセル素材。デザインや色に目が行きがちですが、6年間しっかり使うにはやはり素材選びが大切です。
✅クラリーノに代表される人工皮革
とにかく軽くて雨に強いのが自慢。小柄なお子さんでもそれほど負担なく元気に背負えそうです。
✅牛革
使うほどに味が出る風合いが魅力。昔と違ってずいぶん軽くなりました。ひび割れなどもあまりないようです。
✅コードバン
ランドセルのなかでも最上級品。うっとりするような光沢は段違いの美しさです。卒業後もリメイクでまだまだ使えます。
それぞれにメリットもデメリットもあるので、学校までの距離やお子さんの性格などを考えてぴったりのランドセルを選んでくださいね。